彼の秘密

彼の秘密

最近お付き合いを始めた彼の秘密を聞いてしまいました。

まだ知り合って数ヶ月しか経っていない彼の事を知りたいと思って全てを受け入れるつもりで聞きましたが、あまりにも壮絶で…絶句してしまいました。

彼が話してくれた自分の身の上話は…

彼が生まれてすぐ、母親に捨てられた事。

育ててくれた父親はヤクザで、彼が3歳の時に父親がリンチにあい亡くなってから彼は両親を失いおじさんやおばさんなどの親族に引き取られた事。

そしてそこでひどい虐待にあっていた事を話してくれました。

彼を引き取って育ててくれたおじさん夫婦には子どもがいて、実の子どもの事は溺愛し何でも与え、食事も豪華な食事をとらせていたのですが、彼にはひどいものだったそうなのです。

また、おじさんが競艇が趣味で、負けて帰って来た日はその腹いせに、まだ小さな彼に殴る蹴るの暴行をくわえ、無抵抗な彼を虐待していたそうです。

そんな壮絶な幼少期を過ごした彼は、小学生になると高学年の先輩達と付き合い始め、年上に可愛がられるようになり、すぐに家を飛び出したそうです。

そこからは友達の家や女の家を転々として、独立。

二度と家には帰らなかったそうです。

だから、親の愛情も家族の愛情も知らなかったのです。

とてつもないスピードで非行に走り、少年院や施設をたらいまわしにされ、逃亡と脱獄を繰り返し自分の身を守る事だけに生きてきた。

たった一人と言う孤独の中で生きてきたのだと言う事を初めて知りました。

自分を守るために「暴力」「権力」と言う「力」に頼るしかなかった。

そんな生き方しか知らなかったのです。

私はその話を聞いて、私とは180度違う生き方をしてきた人だと思いました。

「上手くいきっこないかもしれない」と思いましたが、彼はそんな自分の人生に反省して、生まれ変わりたいと言う気持ちで真面目に生き始めてから私に出会ったそうです。

自分にはこんな過去があるけどこれからは違うからと、全てを隠さずに話してくれたのです。

私はこの話を聞いて驚きを隠せませんでしたが、これからの彼が全てですから、幸せに恵まれて来なかった彼の事を私は温かい目で見ていきたいと思いました。

思い出のレッスン♪

先日私宛にある一通の手紙が届きました。

手紙と言うよりは、パンフレットの様な物なのですが。

何年か前の事なのですが、私は留学を考えていた時期がありました。

ピアノの演奏家になりなかった為、いつかは通らなければいけない道だったと思います。

音楽科のある高校や大学などに入学出来ていれば、学校を通して留学する事も出来るのですが。

私は音楽科のある学校は愚か、高校すらも卒業する事はありませんでした。

留学をする為には、独自のそのルートを探す必要がありました。

そんな中当時私にピアノを教えてくれていた恩師の先生が、私にある提案をしてくれたのです。

それは…年に一度だけウィーンから来る有名なピアニストからのレッスンを受ける事です。

丁度先生の知り合いの方も居た事で、私はレッスンを受ける事が出来ました。

もちろんウィーンから来た先生方ばかりな為、レッスンは日本語ではありません。

通訳の方が一緒にレッスンをしてくれる事で、初めて意味が判る程度でした。

慣れない状況のレッスンを受けながらも、何とか身に付けた物は確かにあったと思います。

後日私の先生が留学の話をピアニストの方に持ち出したところ…。

「留学するのなら面倒を見てあげるよ」と何人かの方がそう言ってくれました。

「来年もまた日本に来るから、その時に決めなさい」と言われ当時はずっと留学について悩んでいました。

結局私は演奏家になる事を諦めてしまった為、お世話になる事はありませんでした。

そんな事があった頃から、もう4年の年月が経ってしまいました。

今はピアノに触れる事も少なくなってしまったのですが、未だにその時の先生方からはレッスンを受けに来ないかと言う手紙が届きます。

当時私の恩師であった先生は「もうあの子はピアノを辞めたんですよ」と説明したそうですが。

それでも毎年レッスンのお誘いを頂いています。

嬉しいような、切ないようなそんな複雑な気分が今は残ります(^^;)